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芳しき動脈
互いを知ると言うことが
時折ただの馴れ合いだと感じる
距離が近くなってくると
危機感すら感じる
そこに情は存在しなくて
たぶん未来を枠にはめ込むという概念もない
じゃあ何故
互いにわかりあおうと努力するんだろう
突き詰めて言えば
何故それでもまだ
顔が見たくなったりするんだろう
それはきっと
共に垂れ流した時間の重なりを
現時点で放り出せるほどの度量がなくて
出来上がりかけていたものを
そこに感情がないからと言う理由で
壊してしまうのが後ろめたいから


まだほとんど手探りで
まだほとんどなにもわかりあえていないのに
始めるか終えるかの選択さえも
ただ風にあそばれて
決めかねている
始めるなら始めよう
けれど終えるにはまだ何も始めていない
曖昧なところから
なにも壊さずに積み上げていくのは
困難極まりない
お互い手の内を隠しあううちは
言葉もしぐさも嘘しか語らない
もしも欲求がひとしずくでも生まれたなら
きっと多くが円滑にいくだろうけれど


無邪気に磨り硝子を叩き合うような
堂々巡りの馴れ合いに
意味は感じていない
けれどそこに情も未来もないのなら
何故気にかかるんだろう
放り出せない義理と義務
それに勝るほどの気持ちの衰退を
あたしは彼について
感じていないからだと思う
だから顔が見たくなったりするんだろう
by lilmickey | 2007-07-26 14:39 | ぐらふぃっちィズ
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